はじめて患者会に参加したのは24歳ぐらいのときだったと思います。
社会人になって通院するようになったクリニックは、先生も看護師も1型糖尿病の情報収集や発信を積極的にしている方たちで、患者会も主催してくださっていました。
同じ病気の人たちが情報交換できる患者会というものがあることや、小・中・高の1型糖尿病の子どもたちが集まって夏休み期間中に開催される小児糖尿病サマーキャンプがあるということを知ったのはこの頃でした。
SNSで患者会が地元で開催されることを知り、また私がこの時勤めていた会社も開催のお手伝いに来るときき、はじめて患者会に参加してみることにしました。
この患者会は私の価値観を変えた出会いでもあったかなと思います。
このときの患者会には50人近くの方が参加していたと思います。もっといたかな?
その中で同年代は5人ほどしかいなかった気がします。
何年も参加しているんだろうなというベテランの方もいれば、先輩に教えてもらいたいという新人さんまで年齢もさまざま、いろいろな方がいました。
患者会って何をするんだろう、講義をきいて情報交換するんだよね?と右も左もわからない患者会初心者の私は、少し緊張しながらその会に参加。
そのときすでに発病から10年ほどがたっていたので、あまりこれといって聞きたいこともなく、みんなのお話を隅っこできいているという感じでした。
この会に参加して衝撃だったのは、みんなが楽しそうに1型ライフのお話をすること。
もちろん悩みを抱えている方もいました。
その患者会では妊娠後の不安について話していた夫婦がいたことも覚えています。
でも、講義の間も笑いが絶えなくて、そのあとのグループ分けしての座談会?でも、私はこういうときはこうしているよとか楽しそうに話している方が本当に多いこと!
私は病気になったことを恨んだりはしていませんでしたし、そんな自分が不幸だと思ったりはしてきませんでした。
でも、病気の生活を楽しむというと語弊がありそうですが、なんとなく、あー私は実はまだ病気を受け止め切れていなかったのかもなとこの会に参加して思ってしまいました。
例えばひとり暮らし。
病気のことがあるから余計に両親は心配し、私もそうだよね、仕方がないかとあきらめていましたが、同年代の子がひとり暮らしを最近はじめたという話をきいて、1型糖尿病でもひとり暮らしはできるのか!と思ったり。
捕食のことも私はこういうお菓子を持ち歩いているよとか、インスリン注射のタイミングとかのちょっとしたコツを教えてもらったり。
患者会が思いのほか楽しくて、そのあとの食事会にも飛び入りで参加させてもらいました。
別に1型糖尿病の会とかではない、ただの楽しい食事会でした。
それがなんだか不思議で、特別な出来事は何もなかったけれど、なぜかそのときの光景を私は今でも頭に思い浮かべることができます。
その後も2、3回患者会に参加しましたが、低血糖で会社に迷惑をかけて落ち込んで、そのときたまたま開催予定を目にして行ったのが最後。
もう5年ほど前になるかなと思います。
毎年必ず行こうと思っているわけではないけれど、そこまで深く相手のことは知らない、でも1型糖尿病の仲間というちょうど良い距離感が、助けてと言える私の心のよりどころになっているみたいです。
悩みを抱えている方は行ってみるの、ありですよ。